ブラウンカンライフ様より頂いた、お誕生日祝いの犬猿小説〜v



前に読んだ、犬の飼い方の本に書いてあった。
あんまり、「おあずけ」ばっかりしてっと、
犬にストレスが溜まっちまって、よくねーんだって。


だから、心優しい飼い主である俺は、ワンコの希望を叶えてやることにしたんだ。





カモナ・マイハウス














 部活が終わって、帰る道。
いつもなら、真っ暗な道を、一人で歩いて帰るんだけど。
今日だけは、トクベツで。


「とりあえず、予想外に普通の家だな…。」

もうあと数歩で辿り着く俺んちを見上げて、一緒に帰ってきたコゲ犬が呟きやがった。



今日、犬は初めて、俺んちに遊びに来た。
ずっとずっと、来たいって言ってたから、来させてやったんだ。
あー、もう、我ながら、なんて優しい飼い主様。




 付き合い始めてからずっと、犬は俺んちに来たい来たいって、
そりゃあもう、バカの一つ覚えみてーに言ってたんだ。
なんでも、俺がどういう生活してるのか、知りたいとかで。
 でも、俺はずっと、嫌だって言い続けてた。
だって、なんだかすっげー照れくさいじゃん?
それに、自慢じゃねーけど、俺の部屋ってば汚ねーし…。
あの部屋を見て、ワンコに失望されちまったらさぁ…、それこそ、ショックだし?
第一、犬んちは、今、犬以外の家族は海外出張中だったりなんだりで、
実質的に、犬のヤツは一人暮らしをしているわけで、
そうやって考えるとさ、両親がいる俺んちに集まるよりも、
どう考えたって、犬んちに集まった方が、都合がいいワケ。
……その…、やっぱ、コトに及ぶときだって、あるわけだし。
 けど、犬のヤツ、そんな俺の気持ちを全然理解してねえらしくって、
ここんとこは、顔を見れば、「猿んちに行きてー」って。
あんまりにもうるせーし、同時に、そうまでして俺んちに来たがるとこが、ちょっと可愛いしで、
結局、今日、俺は犬にうちに来ることを許可してやったんだ。

 俺んちは自営業で、店は家とは別にあるから、
おとんとおかんが帰ってくるのは、実際は日付が変わる頃。
だから、まあ、ちょっとくらい、犬に長居されても問題ねーし。
あ、いろいろ面倒だから、「お泊り」っつーのはナシだけどな。
その辺は、口を酸っぱくして、ワンコにちゃんと言い聞かせてある。
たまには甘やかすのも大事だけど、躾も忘れちゃダメだからな、ウン。




「テメーってば、どんな俺んちを想像してたんだよ…。」
 カギを開けながら、ちょっと気になって聞いてやる。
第一声が、「予想外に普通の家」って、そりゃねーだろうが、バカ犬め。
「だって、テメー、自分ちのこと、『一種のテーマパーク』つってただろ。」
あー、そういえば、そんなこと言ったっけ…;
コイツってば、そーゆーことまで律儀に覚えてやがるのな。

うん…、でも、そーゆーのって、ちょっと嬉しい。

あっ、そ、そのっ、ちょっとだけ!ほんのちょっとだけだからな!!
「どうした、猿。なに一人で百面相してんだ、キモいぞ。」
「うっせ!ほら、突っ立ってねーで、上がりやがれっ、この駄犬めっ。」
動揺してんのがばれて、すっげーハズい。
だから、早く話を変えたくって、無理矢理犬を玄関に押し込んだ。


 とにかく、犬を部屋に入れて、で、俺はお茶の用意をすべく、キッチンに向かった。
勿論、「勝手に部屋ん中、物色するんじゃねーぞ!」って、釘を刺して。
特に、布団の下とかは、見たらブッコロって。
「エロ本が隠してあんだからな!」って言ったんだけど、
実際、エロ本も隠してあんだけど、
でも、見られたくねーのは、そんなモノじゃなくて。
(だって、俺がエロいのは、周知の事実だし。
 男子高校生でエロ本持ってねーヤツなんて、そうそういねーし。)
実は、さ、エロ本に隠して、アルバムが混ぜてあるんだ。
それも、ただのアルバムじゃねーの。



沢松から分捕った…じゃなくて、特別に貰ってやった、犬の写真ばっか集めた、アルバムなんだ。



そんなモノ持ってるなんてバレたら、そりゃあもう、死ぬほどハズいし!
それに、もし、犬がそんな俺の行動を「キモい」なんて言いでもしたら…、
それこそ、ショックで立ち直れねーし……。
 多分、あんだけ強い口調で言ってやれば、アイツも言うこと聞くだろ。
もし、言いつけを破りやがったら、もう一生、口きいてやるもんか!


 律儀にアイツの大好きなコーヒー牛乳を用意して、部屋に戻る。
したら、行儀の悪りぃ犬のヤツは、ちゃんとお座りせずに、なんでか立っていやがった。
「こらぁ、駄犬!なに勝手に立ってんだよ!
 ちゃんと座ってろよ、バカ!!」
もしかして、コイツ、布団の下とか、覗いたんじゃねーよな!?
 いきり立つ俺を他所に、犬は「ああ」と返事をしながら、
まだぼーっと突っ立ってやがる。
よく分かんねーけど、何処か一点を見つめて。
「なに見てんだよ、ヘンタイ!」
卓袱台の上にグラスを置いて、俺は犬の隣に立った。
で、犬の視線を追った。
「猿、これ…。」
「あ…!」





















犬の視線の先にあったのは、薄汚れたボール。
それには、俺の汚ねー字で、『7月13日 公式戦初勝利』。



そう、それは、武軍戦の、犬の公式戦初勝利の、ウイニングボール。
試合後、俺がこっそり持ち帰ってきちまったモノ。





















「う、あ、あの、その…。」
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
ホントはさ、このボールは、犬が持つべきものだったんだ。
だってこれは、犬が高校に入ってもう一度野球を始めてから最初の、公式戦のウイニングボールだから。
犬にとって、大事な大事な、記念のボールなんだ。
けど、あのとき、最後のボールを受けたのは、俺だったから。
だから、流血とかそーゆーどさくさに紛れて、持って帰って来ちまって。

ホントはさ、次の日、犬に返そうって思ってた。
でも、持って帰ってきちまったのが、後ろめたくって。
それよりも、なによりも。





犬の記念ボールが欲しいって、俺のものにしたいって、思っちまったんだ。





謝んなきゃ、謝んなきゃ、俺。
犬、すっげー呆れてる、きっと。
「あう…、ご……。」
けど、「ごめん」って俺が言うよりも先に、犬が。



















「持っててくれたのか。
 大事にしててくれて…、すっげー嬉しい。」

そう言って、いつもに似ねえ、すっげー優しい笑顔を浮かべてくれたんだ。




















「け、けどっ、ホントはテメーに返さなきゃいけねーのに…っ!」
「別に、俺はこーゆーの、拘んねーし。
 つか、どうせ、俺が貰ったとしても、テメーにやるつもりだったし。」
だから、テメーが持っててくれて、部屋に飾っててくれて、嬉しい、
なんて言って、犬は俺の体を、ぎゅうって抱きしめてくれた。
「これは、テメーに持ってて欲しいんだ。
 大好きな、テメーに。」
どうしよう、照れくさいけど、犬の言葉が嬉しい。
嬉しくて嬉しくてたまんなくって、俺もぎゅって犬に抱きついた。

悔しいけど、俺、犬のこーゆーとこ、大好きなんだよな。
いつもはひでえこと言いつつも、結局、俺には甘いところ。





「…あのさ、犬。」
 ホントはさ、ホントは、そんな気はさらさらなかったんだけど。
俺の部屋で、なんてシチュエーションは、絶対にヤダって思ってたんだけど。
でも、なんつーのか、犬が優しい笑みなんて浮かべやがるから。
だから、だから、その…。



「して、いーよ。」



一瞬、目をまん丸にする犬。 いつものかっこよさが台無しな顔に、思わず笑っちまうと、
犬はちょっとだけ照れくさそうな顔をしてから、いきなり俺を万年床の上に押し倒した。
ったく、しょうもねえ発情犬。

……でも、今夜だけは、許してやるよ。


















まだまだ躾が必要な、どうしようもない駄犬だけど。


でも、やっぱり。
なんだかんだ言っても、俺、テメーのことが、大好きなんだ。


だから、ちょっと照れるけど、また俺んちに遊びに来ても、いーよ。


ブラウンカンライフ様より頂いた、素敵過ぎるお誕生日祝いvv
猿は犬の事を、「悔しいけど、俺、犬のこーゆーとこ、大好きなんだよな。
いつもはひでえこと言いつつも、結局、俺には甘いところ。」
と、言ってるけど…そう言ってる猿自身も、いつもは酷い事ばっか言って、照れて天邪鬼な事ばっかり言うけれど…
結局は犬に甘くて…内心は犬にベタ惚れで…
しかも、こ、こっそり、ウイニングボールを持って帰って、飾ってるだなんて…!!
…っ!!
さ、攫って監禁してしまいたい程に、猿の行動が可愛い過ぎる…っ!!!(やめて下さい変質者)


そんなこんなで、猿ちーのその後が非常に気がかりですvvv(心配5%期待95%)(矧待多!)
い、いや、だって…ベットではなく、非常に位置がズレやすい畳の上に布団だけという状態。
…その上で事に及んだら、背中がゴロゴロするし、ズレるしで…
バ、バレますよね…?(てか、寧ろバレろv)(Σええ)
しかも、
…初めて家によんでくれた猿。
…ボールをコッソリ持って帰って大事にしてくれてた猿。
…自分から「して、いーよ」とか、やたら可愛い事を言ってくれた猿。。。

こ、これだけでも、とんでもない程の犬的、猿萌え要素がこれでもか!!(犬的猿萌え要素ってなんだ…?)
っと、盛り沢山に詰っているのに、その上、自分の写真をコッソリ大事に持ってた猿。
だなんて、一面を見せられたら…

うん…。本気でワンコ…止まらなくなるどころか、
猿の事を明日の朝まで拉致監禁コースかとv(まぁ、犯罪v)



え、え〜と。が、頑張れ!猿ちー!!(頑張れません。)